財産を相続したらいくらから相続税がかかりますか?
1 基礎控除額を超えると相続税がかかる
相続税は、原則として、正味の遺産総額が基礎控除額を超えるとかかります。
正味の遺産総額とは、プラスの財産だけでなく借金や未払金などのマイナスの財産、死亡保険金や生前贈与の一部などを加味して計算した後の合計額のことをいいます。
基礎控除額の計算式は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。
たとえば、法定相続人が子2人である場合は、「3000万円+600万円×2人」で4200万円が基礎控除額となります。
2 法定相続人の数え方について
法定相続人の数え方については、相続人が死亡・廃除・欠格に該当する場合は法定相続人に含みませんが、その子(代襲相続人)がいればその子を法定相続人に含めます。
また、相続放棄の場合はなかったものとして扱うので、仮に子2人のうち1人が相続放棄をしたとしても、基礎控除額は4200万円のままで変わらないことになります。
そのほか、養子の場合は、他に実子がいれば1人まで、実子がいない場合は2人まで含めることができます。なお、基礎控除額との関係で、養子が実子として扱われる場合もあります。たとえば、亡くなった方の配偶者の実子が、亡くなった方の養子にもなっているような場合です。
3 基礎控除額を超えても相続税がかからない場合
基礎控除以外にも、次のような控除制度があります。
たとえば、未成年者(18歳未満)がいる場合は、「(18歳-相続開始時点の満年齢)×10万円」の控除を受けることができます。
また、障害者がいる場合は、「(85歳-相続開始時点の満年齢)×10万円(特別障害者だと20万円)」の控除を受けることができます。
4 控除や特例により相続税がかからない場合
その他、相続税申告を行うなどの要件がありますが、控除や特例などにより相続税がかからなくなる制度があります。
たとえば、配偶者控除といって配偶者には相続税の軽減が認められています。相続財産が1億6000万円以下、もしくは配偶者の法定相続分である遺産総額の2分の1以下であれば、相続税がかかりません。
また、小規模宅地の特例といって、被相続人の自宅や事業用建物、賃貸アパートなどの敷地を相続したときに相続税の評価額が軽減される制度もあります。たとえば亡くなった方の自宅の敷地なら330㎡まで80%、貸付事業以外の事業用の建物の敷地なら400㎡まで80%、賃貸用アパートの敷地なら200㎡まで50%、評価額を減らすことができます。

























